明日から一ヶ月
ちょっとだけ…大変

だって 君が
いないからね




近くても 遠い





荷物をまとめて、息を吐く。
一ヶ月って、長いかなー?
考えて。
短いといいなー。
なんて、考え直して。
また、息を吐いた。
一緒に行ければいいんだろうけど。
わたしにも仕事があるから、そうもいかない。
どうにかすれば、なるんだろうけど。
諸岡さんに、あんまり迷惑、かけたくない。
今まで散々、かけてきたし。
考えて、思い出して。
やっぱり、ため息を吐いちゃってた。
「………」
一ヶ月。
彼がいなくても、平気かなぁ?
考えれば考えるほど。
深みにはまっちゃったみたいで。
口から漏れるのは、ため息ばっかり。
そんなわたしの背後で、物音がして。
振り向けば、彼が眉根を寄せてた。
「どうしたの?」
「俺のセリフ。それ」
「………」
「どうしたんだ? ため息ばっかりして」
「…だって……」
言いかけて、やめた。
わたしは子供だし。
甘えん坊だっていう、その自覚は、とてもある。
けど。
今は出発前。
出発、前日。
帰ってきたら、めいいっぱい甘えたらいい。
我慢出来なくなったら、会いに行っちゃえばいい。
それぐらいの財力は、今のわたしにはあるんだから。
ただ――場所が場所なんだけど。
「玲?」
隣りで、膝を折って。
わたしの顔を覗き込んでくる。
それにやっぱり、抱き着いちゃったりして。
彼は勢いに押されて、腰を下ろしてから、わたしの頭を撫でてくれた。
「不安か?」
「…ものすごく」
「そうか」
「珪は?」
「同じ」
「本当?」
「本当」
顔を見れば、彼は苦笑を浮かべていて。
それでも、キスをくれる。
驚いて、瞬きをすれば、彼は抱き締めてくれて。
それが嬉しくて、擦り寄った。
今、わたしと彼の間の距離は。
外も中も、ゼロ。
でも明日からは。
中はゼロだけど。
外は、ものすごい。
「……玲?」
無言で、腕に力を込めたら、彼の声が降った。
それにも構わずに、抱き着いてたら。
わたしの身体は、彼の膝の上に、降ろされる。
彼に対して、横向きに。
「電話する。毎日」
「メールでもいいよ?」
「電話」
「……わかった。ちゃんと出るね?」
「当然」
「…うん」
「何かあったら、してくれていいから。電話」
「…頑張る」
「だな」
くすくすと笑う声に包まれて。
抱き締めてくれる暖かさに、ほっとして。
でも、明日から一ヶ月間はないんだ――って、考えたら。
忘れないようにしようってそう思って。
わたしは瞼を閉じた。
わかってるんだ。本当は。
中はゼロなんだから、必要ないんじゃないかって、ことは。
でも、一ヶ月は、やっぱり長いから。
「我慢出来なくなったら、会いに行っちゃうかも」
「…そんなにか?」
「そんなにです」
「………」
「君への想いは、海も越えちゃうのです」
「…すごいな」
「でしょう?」
「じゃあ俺も」
「?」
「我慢できなくなったら、帰ってくる。日帰りで」
「……スタッフさん達、大変そう…」
呟いたら、彼の腕の力は、強くなって。
上からまた、笑いが降ってくる。
それに顔を上げて、微笑んでみたら。
案の定、唇が重なってた。

END

 

甘い…。
書いてるのわたしなんですけど、助けてほしいとか、思ってたり。

誰でも手軽に出来る「10ノお題」』さまからお借りいたしました。
二つ目は距離。
っていうか、シリアスの方のものなんですけど、お題。
この二人にかかったら、何でも甘くなっちゃうのかなぁ……。

web拍手に置いてました。

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