君にとって、大切な日は。
俺にとっても、大切な日。

じゃあ、俺にとっての、大切な日は?



問い




「もちろん、大切だよ!」
そう即答されて。
彼は思わず、身を引く。
彼女はといえば、勢いに任せて握ってしまったこぶしを、ゆっくりと解きながら。
「もう、変なこと言わないでよ…」
と、言葉を零していて。
彼は一度、瞬きをしたあとで、笑みを浮かべた。
「…そうか」
「そうだよ」
「……そうだよな」
「うん。珪くんの大切な日は、わたしにとっても、大切だよ。珪くんのことを、大好きな人たちにとっては、同じように、大切なの」
「………」
「だからわたしにも、大切なの」
噛み締めるように言った彼女に。
彼は少し長めに、息を吐いて。
もう一度、「そうだな」と綴る。
考えれば、わかること。
そう思っていても、言葉を聞くまでは、不安だったのだと。
気づいたのは――彼女の言葉を、聞いてから。
確かに、彼女の大切な日は、自分の大切な日でもあるし。
けれど、だからと言って。
彼女が自分と同じだとは、限らないから。
だから、不安だったのかもしれない。
考えて。
彼は頬杖をつく。
「どうしたの?」
「いや」
「?」
「わかること、なのにな。考えれば」
「珪くん?」
「信じてなかった……わけじゃ、ないんだけどな」
息を吐いて。
それから、カレンダーを視界の中へ。
今年は、あの質問を受けていないな、なんて。
去年、一昨年のことを思い出したのは、そのすぐあとで。
「あ、お母さんが、来月、楽しみにしてなさいって言ってたよ?」
なのに、そう言われてしまったから。
彼は小さく、笑うことしか、できなかった。

END

 

短っ!
でもこの続きは長く書きないなー、なんて。

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