たった、何ヶ月かの差だけれど。
その差が酷く、もどかしい。



先だから




「なぁ、葉月ー」
声をかけられて、彼は振り返る。
視線の先には、彼にと持ってこられたいくつかの包みを手にして、ニヤニヤと笑っている姿があって。
彼はわずかに、眉根を寄せる。
「どうした?」
「今日、葉月の誕生日じゃん?」
「? ああ」
「母さんは二十歳のお祝い、させてもらえるって、張り切ってたけど。姉ちゃんも、笑ってたけど」
「……それが?」
「で、母さんはワイン、用意してたわけ。葉月と飲む気、満々で」
「………」
「父さんも苦笑しつつも嬉しそうでさ。でも姉ちゃんは、本気で苦笑」
「…………」
「オレはべつにいいんだけど。仲間に入れなくても。それでも姉ちゃんは、ちょっと淋しそうに見えた」
「……ああ」
言葉に、考えて。
そういうことなのだと、息を吐いた。
同じ年齢だったのは、昨日まで。
今日からは、ひとつ上。
彼女の誕生日は、まだ少し…先で。
「でも、飲まなくて正解だと思うけど、姉ちゃんは」
「?」
「何か、絶対弱そうな気がするんだよな。性格的なものかもしれないけど」
「…ああ……」
「だから、姉ちゃんが二十歳になったら、考えた方がいいぞ?」
くすくすと笑いながら告げられた言葉に、苦笑を零して。
彼は歩を進める。
確かに、それは考えた方がいいかもしれないけれど。
そう、それでも。
今日はもしかしたら、彼女の淋しそうな表情を、目にしてしまうかもしれなくて。
たった、数ヶ月なのに。
それが酷く、もどかしく思ってしまうのは、こんな時。
来年からは、今回のようなことはないけれど。
それでも。
今日を、どうやって乗り切ろう。
考えながら、彼は小さく、息を吐いた。

END

 

短っ!
それがいつものこととはいえ、これでいいんでしょうか……(よくないと思ふ)。
でもこれ以上長くしたら、蛇足にしかならないし。
仕方ない(泣)。

二十歳といったら、飲酒解禁?
だったらそういう話?
でも優菜ちゃんは飲めないよ?
という話の流れからできた話なのです。
二人がいる場所は、珪くんの控え室だとでも思ってください。
(で、尽が手にしてるのは、珪くんにと届けられた、ファンからのプレゼントです)

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