あなたのことは、何でも知っておきたい。
どんなにささいなことでも。
どんなに、くだらないことでも。
小さなことでも。
みんなが気づかないようなことでも。

知っておきたい。
知りたい。

そう…願うの。



intently




バイト中。
やってきた彼を、彼女は瞳に映して。
いつも通り、「いらっしゃいませ」なんて、含み笑いで届けた。
けれど。
「?」
小さな違和感に、足を止めた。
ちょっと…そう考えて。
「珪くん」
「ん?」
呼び止めて。
注文をしっかりと聞いてから。
「髪…切った?」
手を伸ばして。
彼の髪に触れて。
それから少し、首を傾ければ。
彼の表情は、驚きのそれへと変わって。
けれどすぐに、手を離せば、小さく笑んでくれた。
「珪くん?」
「……切られた」
「…切られちゃったの?」
「ああ」
くすくす笑う彼を、テーブルまで案内して。
「待っててね?」
そう紡げば、小さく上げられたのは、手。
笑顔で振り返して、カウンターへと戻って。
手を動かしながら、彼女は小さく笑みを零す。
カップを用意して。
覚えた手順で、注いで。
ツナサンドも、用意して。
ていねいに、皿の上に並べてから、それをトレーの上へ。
わからない、はずはない。
だって、毎日見ているのだから。
彼の小さな。
わずかな。
どんな表情も、見逃したくはないと、必死なのだから。
トレーを手にして、歩き出せば。
彼女を見ていた彼と、目が合った。

END

 

短い…。
短いかなぁ? とか思ってたら、本当に短いし。
長くすると、別の方向に話が進みそうだったので、切ってみたら、こんなことに。
ま、いっかぁ!(反省の色なし)

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