ひらひらと舞うそれに
伸ばされたのは
小さな手で

どこからかと 追いかけた瞳に
俺は小さく 笑みを零してた




Engel 8





お散歩行こう!
そう言ったのは、彼女で。
用意をしはじめた彼女のあとを、嬉しそうに付いて回る颯に。
俺はくすくすと笑う。
朝は首を傾げて、俺の足元で、俺と同じ方向に視線を向けていて。
小さな姿を抱き上げれば。
俺のことを、その蒼い瞳に映して。
パー、なんて、呼んでくれた。
それに笑いながら、上着を用意し出せば。
「とりあえず、森林公園まで行こうか?」
なんて、提案。
「そうだな。こいつらも、気に入ってるしな」
下に降りるという意思を示す朝を下ろして。
俺は上着を手に、彼女のそばへと歩いていく。
颯も下へと降りて。
彼女の手によって、上着を着せられていて。
「外行こうね、颯」
「いくー」
「朝もな」
こくんと頷いて。
そんな朝に、上着を差し出せば。
いくーとか嬉しそうに言いながら、背中を向けた。
その背に、上着を着せて。
腕を通してやって。
準備ができれば、彼女は。
「さて、行こうー!!」
と、声を上げて。
右手も上げて。
それに微笑えば。
「いこー」
と、隣からも声がして。
目を向ければ。
朝が、彼女に負けずに、両手を天井へと、突き上げてた。

目的地に着いて、すぐ。
駆け出したのは、二つの小さな姿で。
まぁ、最初に駆けていったのは、朝で。
そのあとを追うように、彼女と繋いでいた手を離して。
颯も、駆け出した。
「元気だね?」
「だな」
残された俺達は、ゆっくりと、進んで。
……けど。
「手…」
「ん? 繋ぐ?」
差し出された手に。
俺は微笑で、それを取って。
繋いで、歩いていく。
小さく振られるのは、いつものことだから。
それにも、微笑を零す。
そうして、歩いていれば。
「仲いいな」
「いいねぇ。手、繋いで」
まねをしたのか、どうなのかは、わからなかったけれど。
笑顔でいられれば、それが一番だから。
「パー!」
「マー!」
「呼ばれてますね?」
「…だな」
「どうしたんだろうね?」
彼女の言い方に笑って応えれば。
子供達は上へと、手を伸ばしてた。
彼女の歩みは、速くなって。
つられるようにして、俺の歩みも、速くなる。
そして。
「あぁ、落ち葉かぁ」
ひらひらと舞う葉に。
二人は手を伸ばして。
追いかけて。
地に落ちる前に、手にしようと、必死で。
「わたしも混ぜてー!」
急に。
繋がっていたはずの手を、するりと抜けて、彼女も駆け出した。
俺の隣りから。
そうすれば、二人の興味は、彼女に移って。
彼女が指し示す方向へと、瞳を向けて。
それを少しの間、眺めていたのだけれど。
俺も、そこへと混ざるべく。
ゆっくりと、歩き出した。

END

 

子育ての続きを書いてほしいと、せがまれたので、こんな話。
でも本当に書きたい話は、まだずっと先のこと。
――書いていいのか?(それをずっと、考えてる)

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